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プラスチック問題を知ろう!:地球温暖化篇

私たちくるん京都は、容器包装ごみ(特にプラスチックごみ!)を減らしたくて、マイ容器でのお買い物を推進しています。

でもそういえば、プラスチックごみの問題についてしっかりと取り上げたことはなかったな、ということに、最近気づきました。


というわけで本日はお勉強回。

プラスチックの現状についてです。


いつだったかは忘れましたが、SF作家のウィリアム・ギブソンが以前、こんなことを言っていました。

「20世紀に発明された最も破壊的なテクノロジーは核兵器だと思っていたけれど、実際はプラスチックの発明こそが地球を回復不能なまでに破壊している」


プラスチックがあまりにも身近になった現代において、こんなことを言われてもピンとこない人は多いかもしれません。

なのでまずは、具体的な数字の話からはじめましょう。


世界におけるプラスチックの年間生産量は、どんどん増えています。

2000年には2億3,400万トンだったのが、2019年には4億6,000万トンとほぼ倍増。

累計にすると現時点で100億トンを超えていますが、これまでにリサイクルされたのは、そのうち10%だけ。

残りのプラスチックは、先進国では燃やされ、途上国では埋立てられています。*1

これらのプラスチックが年間に排出しているCO2は、石炭火力発電所にすると、なんと189基分に相当。

(ちなみに、日本の石炭火力発電所は2022年時点で150基で、全エネルギーの約28%をまかなっています)

そして世界のプラスチック使用量がこのままのペースで増え続けると、2050年には615基分にもなると言われています。*2


プラスチック・パンデミックが、地球温暖化にとっていかにインパクトの大きいものかかがわかりますね。


こんなふうに大量に生産されるプラスチックのうち約4割を占めるのが、容器包装を中心とした使い捨てプラスチック。そしてプラスチックごみにおいては、使い捨てプラは約半分を占めます。

多量のCO2発生源となっている使い捨てプラスチックは、地球温暖化を1.5℃に食い止めるためには、遅くとも2040年までにゼロにする必要があると試算されています。*3


BAU(Business as usual:従来通りの活動を続けた場合)のプラスチック需要と、プラスチックを75%削減する(1.5℃目標を達成するための最低条件)シナリオ

こうしたプラスチックごみ問題で、日本はどういった立ち位置にあるのか。

国別のプラスチック包装ごみ排出量は以下の通りです。

2014年時点で、総量での一位は中国ですが、一人当たりの排出量にすると、1位はアメリカ、日本はなんと2位につけています。*4



また、プラスチックごみが国内でどのように扱われているかの内訳は以下の通り。




日本のプラスチックごみは 87% がリサイクルされている、ということになっていますが、実際には、国際的にはリサイクルと認められていないサーマルリサイクル(火力発電による熱エネルギー回収)が半分以上を占めており、一般的にリサイクルと言ってイメージされるマテリアルリサイクル(製品へのリサイクル)は2割程度です*5

なんてこったい。



こうした現状を前にまずなすべきことは、リデュース(余計なものを買わない、使わない)、リユース(今あるものを繰り返し使う)を当たり前にすることと、マテリアルリサイクルを推進すること。

実際、これらには一部の企業も取り組んでいますが、こうした改革は消費者の意識の変化なくして成り立ちません。

リユース容器は使い捨て容器よりもコストがかかるし、リサイクルされた包装材は新品のプラスチックよりも見た目が劣ることも少なくない。

そうしたデメリットを「必要なことだから」と受け入れる消費者の理解が必要なのです。

しかし現状、プラスチック消費に対する国内での問題意識は決して高くありません。

その上、法整備や規制も進んでいない日本は、先進諸国から大きく立ち遅れているのが実際です。


そんな中でも、何かできることはないか。

身近で簡単な方策のひとつは、マイ容器を使うことです。

マイ容器を使ってのお買い物は、手っ取り早くできて安上がりです。

出かけるときに容器を持っていく一手間はありますが、余計なお金はかからないし(場合によっては割引してもらえることも!)、いますぐはじめられます。

もちろん、くるん京都も「くるん買い物マップ」を充実させていくことで、皆さんのマイ容器ライフをお手伝いします。

ぜひとも、一緒に変わっていきましょう!



以上、少し長いお話になりましたが、私たちがマイ容器でのお買い物(リユース)を推進する理由は、伝わったでしょうか?

プラスチックにまつわる問題は、温暖化以外にも様々ありますが、それについてはまたの機会に。

自分自身が変化すること、そして、周囲の変化を受け入れることの必要性を少しでも共有できたのなら、幸いです。


(むるま)


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